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C型肝炎

C型慢性肝炎(HCV)はC型肝炎ウイルスが肝臓に持続感染し、炎症を起こす疾患です。
血液や体液を介して感染し、一旦感染が成立すると、健康成人への感染であっても、2割程度の感染者は自然治癒しますが、残りの8割程度は持続感染に移行します。一度持続感染が成立すると自然治癒することはほとんどなく、20~30年の経過で肝細胞の破壊・再生が繰り返され徐々に繊維化が進行し、肝硬変に至ります。繊維化の進展とともに肝細胞癌を発症する率が高まり、肝硬変では年間7~8%の症例が肝細胞癌を発症します。

C型肝炎慢性肝炎の多くは無症状で、HCV感染は、肝機能検査異常における精査、検診、及びスクリニーングによって診断されることが多いです。HCV感染のスクリーニングにはHCV抗体の測定が行われますが、急性期における偽陰性や感染既往例における偽陽性があり、HCV感染の確定診断にはHCV RNAを測定します。

C型肝炎の治療の目標は、慢性炎症の活動性を抑制または終息させることで肝繊維化の進展を抑止し、肝硬変への進行と肝発癌のリスクを低減させるとともに、HCV持続感染に起因する肝内・肝外合併症を制御し生存率を改善させることです。この目標を達成するためには、HCVに対する抗ウイルス療法が第一選択となり、原則として非代償性肝硬変を含むすべてのHCV持続感染例が対象となります。

抗ウイルス療法によってHCVが排除された後でも、肝発癌が完全に抑制されるわけではなく、症例ごとの病態に応じたフォローアップが必要です。特に発癌リスクの高い高齢、繊維化進展例、肝癌既往例などにおいては慎重に経過観察を行うことが推奨されています。肥満、喫煙、飲酒、糖尿病は、肝繊維化を進展させるため体重減量、禁煙、節酒、糖尿病の予防が重要となります。

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