虚血性大腸炎は、大腸への血流が何らかの原因で障害されることで大腸粘膜に炎症が生じ、下痢、腹痛、血便などが起こる疾患です。
虚血性大腸炎が起こる原因としては、便秘が最も頻度が高く、それ以外にもストレス、食生活や生活習慣の乱れ、動脈硬化などが挙げられます。特に便秘症の高齢の方で、高血圧や糖尿病などの生活習慣病に動脈硬化が加わった場合などは発症しやすくなります。
治療に関しては、外来で数日間点滴などを行い、ご自宅で安静に過ごして頂くことで大体は完治します。ただ症状が強い場合は、入院加療などが必要となる場合もあります。
下痢、腹痛に血便を自覚された際には、なるべく早く当院を受診してください。
大腸憩室炎とは、大腸にできる憩室という部分に便などが詰まることで炎症が引き起こされる疾患です。
大腸憩室とは、加齢に伴い増加する便秘などが原因で腸管内圧が上昇し、大腸粘膜壁の一部分が、上昇した圧に耐えられず外側に突出し、小さな袋状のポケットを形成したものをいいます。
大腸憩室ができるだけでは無症状であることが多く、特に治療の必要はありませんが、ひとたび炎症を引き起こすと、腹痛や圧痛、発熱、嘔気などの症状が出現します。
治療は、早期であれば抗生剤の投与などで速やかに改善する場合が多いですが、治療が遅れると炎症が悪化して憩室に膿が溜まったり、破れたりして腹膜炎などを合併し、外科的手術が必要となる場合もあるため注意が必要です。
少しでも気になる腹痛などを自覚された場合は、すぐに当院を受診してください。腹部超音波検査などを行うことで、大腸憩室炎の診断をより正確に行うことが可能です。
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